John MAEDA: Post Digital 前田ジョン:デジタルの先へ
前田ジョン アーティスト・トーク
John MAEDA: Post Digital
Artist Talk: John MAEDA
time: 01:18:44
InterCommunication - ICC Report
企画展「John MAEDA: Post Digital 前田ジョン:デジタルの先へ」展の出品作家である,前田ジョンによるアーティスト・トークが開催された.今回のトークは,自著である『MAEDA@MEDIA』(デジタローグ,2000)をなぞるかたちで行なわれた.
両親が営んでいたシアトルの豆腐店での幼少期には,日々の生活をとおして職人気質を父から学び,中学生になってはじめて出会ったコンピュータに彼が発見したのは,永遠に命令を繰り返す機械ということだった.この発見は彼をコンピュータにとりつかせることになる.その後のマサチューセッツ工科大学[MIT]におけるコンピュータ・サイエンス,ユーザ・インターフェイスの研究生活の中で,ポール・ランドとミリュエル・クーパーと出会った彼は,芸術を学ぶ必要を感じ,日本にやってきた.
日本での生活は前田に職人のもつ技術のすばらしさを再認識させ,筑波大学でデザインを学ぶこととなる.その後,母校であるMITに戻り,学生の育成を試みている現在にいたっている.そうした前田のこれまでの足取りが本人によって丁寧にたどられた.
後半には前田から,MITで撮影してきた彼が興味を抱くシーンの写真が紹介された.山積みにされたモニター,廊下にはみ出たぐるぐる巻きのネットワーク・ケーブルなど,通常の使い方ではない,もののあり方は前田の作品制作にヒントを与えてくれているという.
最後に前田から,展覧会関係者だけでなく,彼の活動に関わってきたすべての機関や人々に対して謝辞が述べられ,トークセッションは幕を閉じた.
会場には,学生を中心に400名以上のオーディエンスが集まり,「デジタルが今後どのような変革を迎えるのか?」に対する前田の考えに耳を傾けていた.前田からの言葉での明確な答えは披露されなかったが職人気質とコンピュータ技術,発想を合わせもった前田の活動の報告は,まさにデジタルの未来に対する指針であった.[伊東祥次]
出典:『季刊 InterCommunication』No.39(NTT出版,2001)
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